今日も日曜日

毎日日曜だったらいいな。今日も日曜の気分で綴ります。

外国人観光客が困ること~トラブル続きのフランス旅行(後編)

前編に引き続き、私がフランス旅行でトラブル続き悪戦苦闘した話とともに、日本に来る外国人観光客にもこんなことが起こり得るかもという視点で読んでいただけるとありがたいです。

ichikawa-ken.hatenablog.com

モンサンミッシェルに行って、予定通りイギリスに帰れるか

ストライキでTGVがキャンセルに

モンサンミッシェルへは、パリのモンパルナス駅からTGVに乗ってレンヌに行き、そこからバスに乗る予定でした。

既にTGVはオンラインで予約して、チケットもプリントアウト済みでしたが、レンヌからのバスチケットはオンラインで購入できませんでした。(※)

※TGVのチケットと一緒に購入すれば、バスのチケットも買えるようです。

このため、モンサンミッシェルに向かう前日に、バスチケットを購入するためにモンパルナス駅に立ち寄りました。

モンパルナス駅のチケットオフィスに行くと、なにやら物々しい雰囲気。

チケットオフィスで長い列に並び、ようやく自分の順番が来ました。窓口のおじさんに、レンヌからモンサンミッシェル行きのバスの往復チケットがほしいと告げると、「レンヌまでのTGVのチケットを持ってるか?持ってるなら、チケットナンバーを教えろ」と言ってきました。

TGVは関係ないんだけどなーと思いながらも伝えると、「予約しているレンヌ行きのTGVはストライキの影響でキャンセルになっている」と言われて、たまげました。

この物々しい雰囲気は、ストライキでSNCFの列車やバスがキャンセルになっているからなのかーとやっと気づきました。

続けざまに、「このストライキはとても大きいから、レンヌからのバスもキャンセルになっているかもしれない」と脅されましたが、幸いにもレンヌからのバスは別会社であったため、ストライキの影響はありませんでした。

レンヌ行きのTGVの便は、早朝の便に何とか振り返ることができました。5時起きするはめになりましたが、まぁ仕方ないでしょう。

問題は帰りの便です。

私の帰りの予定は、モンサンミッシェルからレンヌまでバス、レンヌからパリまでTGV、パリからロンドンまでユーロスターとタイトな予定を組んでしまっていました。

もし、TGVがキャンセルになると、ユーロスターも乗れなくなってしまう可能性があるので、TGVの運行情報はとても気がかりでした。

そのおじさんから、「まだ、帰りの便がストライキでキャンセルになるという情報はないが、どうなるかわからないから気を付けろ。前日の夕方6時以降にSNCFのホームページを見れば、翌日の便の最新情報が分かるから必ずチェックしろ」と言われました。

ホテルに戻って、翌日のTGVの便がどうなっているか確認しました。窓口のおじさんは帰りの便について、ストライキの影響に気を付けろと言っていたのですが、念のため行きの便も確認したのです。

すると、明日乗ることになった便は運航するのは当然として、おじさんからキャンセルになると言われた、もともと乗る予定だった便も運航のままでした。

なんだか、このサイトがイマイチ信じられなくなってしまいました。

TGVに自分の席がない 

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翌朝、眠い目をこすりながらもなんとかTGVに乗り込み、座席を探したのですが…ありません。どうみても、何往復しても、ありませんでした。

どうも、同じような状況の人は数多くいるようで、

「そこ私の席なんですけど。」

「すいません。」

みたいなやりとりが至るところで行われていました。本当にどういこと?って感じです。適当に空いてる席に座ったら、案の定、「そこ私の席なんですけど」って言われました。「すみません。」涙

TGVは動き出すまで、車内に車掌がおらず、自分の席がないことを問い合わせることもできず、むなしく右往左往して、電車が動き出してから、空いている席に座りました。朝は早くて眠いわ、右往左往して疲れるわで、最低な滑り出しでした。

しかし、レンヌに着いてからは、モンサンミッシェル行きのバスにも問題なく乗ることができ、モンサンミッシェル観光を十分に楽しむことができました。

また、帰りもユーロスターが遅れることはありましたが、TGVは問題なく運航して(私の席もしっかりありました!)、無事にうちまで帰ってこれました。

外国人観光客にいかにイレギュラーな交通情報を提供するか(2)

上記のSNCFの窓口のおじさんとのやりとりは、文字に起こすとこんなものですが、私の英語力の問題もあり、何言ってるか分からなくて聞き直したり、言ってることが分かっても、にわかに信じられなくて確認したりして、30分以上このやりとりを続けました。窓口のおじさんは本当にいい人で、私に根気強く付き合ってくれ、最後は謎の握手で分かれました。

もし、このおじさんがここまでしっかり対応してくれなかったら、もし、私のオーダー通りにレンヌからのバスチケットを売って終わりだったら、私はモンサンミッシェル観光を楽しむことはできなかったと思います。

また、そもそも私が事前にバスチケットを買おうと思わなければ、このおじさんに出会うこともなく、当日キャンセル情報を知り、レンヌに行けなかったか、レンヌに行けたとしても到着がかなり遅れ、その日のうちにモンサンミッシェルに行くことはできなかったと思います(レンヌからモンサンミッシェル行きのバスはとても少ないのです。)。

たまたま、不幸中の幸いが続いて事なきを得ましたが、こんなことではいいはずがありません。

そもそもSNCFは、少なくともオンラインでチケットを購入している人はメールアドレスを把握しているわけなので、ストライキで予約している便がキャンセルになったのなら、その連絡をメールでするべきだと思いますが、SNCFからの連絡は一切ありませんでした。

また、SNCFのモバイル用のホームページはフランス語のみであり、ストライキ情報もフランス語でしか記載がありませんでした(パソコンでは英語のページの閲覧が可能だったようです。)。

フランス語が分かる人なら現地のテレビなどを見て、ストライキ情報について多くの情報を持っているはずです。

私がここで思うのは、スマートフォン等でSNCFのサイトから得る情報を切実に必要としている人って、フランス語が分からない外国人観光客ではないのかということです。だったら、もう少しだけ手を加えて、外国人観光客にも分かるようにすべきではないのかと思うのです。

現在はGoogleなどを使えば、フランス語も翻訳してもらえ、アバウトな意味はつかむことができます。しかし、こういう状況ではできるだけ正確な情報がほしいもので、Google翻訳では十分ではありません。

イレギュラーな状況が発生したときに、最も困るのは外国人観光客だと思います。

それは、現地の言葉は分からない、インターネットが使用できる場所は限られている、また、多くの場合、タイトな予定を組んでいてスケジュール変更が難しいなどの理由からです。

イレギュラーな時というのは、鉄道会社側もいろいろな対応があって、通常であれば、できることもなかなか手が回らない状況であるというのは理解できます。しかし、イレギュラーな時に更に弱い立場に置かれてしまいがちな外国人観光客に、手を差し伸べる必要性は観光立国を目指すなら必要な考え方かと思います。

また、極めて当たり前のことではありますが、ホームページなどに誤った情報が一部でも掲載されると、そのホームページに掲載されている情報全てについて信ぴょう性が疑われる状況になってしまいます。

イレギュラーな状況でついつい慌てて情報を掲載した結果、誤った内容だったというのはありがちなことだと思いますが、イレギュラーな時なだからこそ掲載された情報が注目されるのですから、正確な情報提供が普段より必要なのだと思います。

最後に

もし、イレギュラーな時でも、モバイル端末を持っていれば、少なくとも英語であればしっかりした情報が手に入るというのは、外国人観光客にとって結構大きな安心感だと思います。

外国人にとって、日本は地震の印象がどうしても強く、イレギュラーな状況を懸念して旅行に来るのを控えている人が多くいるというのが私の印象です。

自然災害を減らすことは難しくとも、少なくとも情報へのアクセスといった点で外国人観光客に安心感を与えることは可能だと思います。外国人にとって日本は魅力にあふれた国なんだなとイギリスに住んでいて強く思います(TOKYOと書いた服を着た人はいて、BEIJINGやSEOULはいません)。

日本を訪れたい外国人が安心して日本を訪れられるように、環境を少しずつ改善することってとても大事なことだと思います。

 

それでは、また日曜に!