イギリスのEU離脱・残留を問う国民投票はますます先の読めない展開に
EU離脱を問う国民投票の実施が迫る
イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票まで2週間を切り、世界的に注目が高まっています。
最近の世論調査では、
ORB(6/10) 残留:45%(ー4)、離脱:55%(+4)
YouGov(6/9・10) 残留:42%(-1)、離脱:43%(+1)
であり、離脱派が優勢な状況です。
次に、こちらYouGovのグラフを見てください。
Remain(残留)とLeave(離脱)が、抜きつ抜かれつを繰り返している状況がよくわかります。
一回一回の世論調査の結果だけをみると、上記のORBの世論調査のように極端な結果となることもあるので、こうした時系列を見る方が判断を誤らないと思います。
これらの世論調査の結果から言えることは、まさに残留・離脱のどちらに転んでもおかしくない情勢になっているということでしょう。
これまでは、「なんだかんだ言ってもスコットランドの独立を問うた昨年の国民投票のように、最後はイギリス人の良識が働き、EUに残留することになるだろう」と多くの人が考えていましたが、そうした予想はもうできないでしょう。
EU離脱派が勢いを強める背景
イギリス人の中で、EUから得られるメリット(主にシングルマーケットの恩恵)が、EUに所属するために支払わなければならないコスト(移民の受け入れ、EU予算への拠出、EUの作るルールに従う必要など)を下回っているという感覚が広まっているのだと思います。
加えて、イギリスは、歴史的に見ても、ヨーロッパ大陸の諸国と強調して成長してきた国ではなく、むしろヨーロッパ大陸の諸国の発展はイギリスの利益にならないという発想で発展してきた国です。
日の沈まぬ国を作り上げたプライドも手伝って、EUにあれこれ指図される現状は心情的には面白くないでしょう。
残留派はそうしたところを巧みについて、EUに対するネガティブキャンペーンを展開しています。
また最近では、残留派のEUを離脱したら、イギリス経済が低迷するという主張はたちが悪い脅しとさえ言われ始めています。
今後の展開はまさに予断を許しません。
それでは、また日曜に!