イギリスに住むに当たって覚悟しておいた方がいい5つのこと
イギリスに住んでもうすぐ1年になります。
イギリスの生活はもちろんいいこともあるのですが、なかなかつらいこともたくさんあります。
そこで今日は、これからイギリスに来る人に向けて、イギリスに住むに当たって覚悟しておいた方がいい5つのことを書いていきたいと思います。
(www.japantoday.comより引用)
1 物価が高い
イギリスの物価は想像以上に高いです。
最近は1ポンド=155円くらいですが、日本円をポンドに変えるときは手数料もとられますので、それも考慮すると実質的には1ポンド=165円くらいかと思います。
日本人の100円の感覚が、イギリス人の1ポンドの感覚ですので、基本的にイギリスの物価は日本の1.6倍だと考えてもらえばいいと思います。
パブ(イギリスの居酒屋)でピザを食べると、10ポンド(約1600円)は最低でします。
ちょっと小ぎれいなパブだと、ピザが15ポンド(約2500円)、フィッシュアンドチップスが18ポンド(3000円)とかして、店を出たくなります。
レストランであれば、3品(前菜、メイン、デザート)で30ポンド(約5000)円くらいは、一般にリーズナブルと言われるお店でもします。
それでも、イギリスでは、スーパーマーケット(テスコ、セインズベリーなど)を利用すれば安く買い物をすることができますし、特に野菜や乳製品は日本より安いくらいで買えます。
日本ではすべて外食で済ませていたような方でも、イギリスに来たら自炊を覚えることをおすすめします。
留学生であれば、自炊は必須でしょう。
最後に、イギリスでは紙製品がとてつもなく高いです。
例えば、
トイレットペーパー(12ロール) 4ポンド(660円)
ティッシュペーパー(1箱) 1ポンド(165円)
といった感じです。
鼻をかむのも躊躇(ちゅうちょ)する生活が待っています。
2 冬がつらすぎる
イギリスの冬がつらいものであることは、皆さん既にご承知だと思いますが、1年暮らしてみて、私は思っていた以上につらかったです。
何がつらいかというと、9月上旬くらいで暖房を入れる日が出てくるほど、イギリスの冬の始まりは早いのです。
それでは、いつ終わるのかということですが、つい先日の5月中旬くらいでも暖房を入れたくなる日がありました。
つまり、短く見積もっても10月から4月くらいまでは寒いのです。
もちろん10月や4月でも晴れの日は温かくなることもありますが、そもそも雨や曇りが多いので、基本的には寒いです。
加えて、日の長さが以上に短くなります。
真冬になると、朝8時くらいに明るくなって、夕方4時には日が沈むような日が続きます。
暗くて長くて寒い冬って、結構つらいです。
しかも、イギリスの暖房器具ではセントラルヒーティング※と言われるものが一般的です、これが思ったほど温かくならない上に、ガス代がけっこう高いため、つけっ放しにもできないため、部屋の中も寒いのです。
※ 各部屋にめぐらせられた水道管にガスで温めたお湯を流すことで部屋を温める暖房器具
おそらく新しい家のセントラルヒーティングなら温かいのでしょうが、イギリスは古い家を良しとする文化なので、大抵の家はめちゃくちゃ古いです。
結果、冬はユニクロのウルトラライトダウンと、無印良品のひざ掛けを体に巻き付けて過ごすことになります。
3 英語が片言のアジア人にイギリス人は冷たい
イギリス人は英語が片言のアジア人に冷たいです。
レストランなどに行っても、英語が片言だとそれなりの対応しか受けられません。
また、スーパーなどでは、露骨に対応を変える店員までいて頭に来ます。
そこまででなくとも、英語が片言のアジア人と親しく付き合ってくれるイギリス人というのは余程の日本好きくらいのものです。
たまに何か裏の理由があるんじゃないかと思うくらいに世話を焼いてくれるイギリス人もいますが、相当なレアキャラでしょう。
しかし、片言の英語を上達させるためには、こうした塩対応のイギリス人と積極的に絡んでいく必要があります。
そのために、イギリスに来る前に強いハート、折れない心を身に付けておくことをお勧めします。
それが難しければ、イギリスに来るまでにある程度の英語力を身に付けておくことをおすすめします。
私の場合はどちらも身に付けてなかったので、イギリスに来て英語はあまり上達しませんでした。
4 イギリスで病院にかかるのは大変
イギリスには、NHSという国営の医療サービス事業があって、イギリス国民はもちろん、我々のような外国人でも無料で医療を受けることができます。
しかし、このサービスは既に機能不全に陥っていると言われています。
例えば、病気になって病院に行きたいと思っても、そこから診察の予約をとって少なくとも2、3日、長ければ1、2週間待つ必要があったり、患者の割りに医者が少ないため、診察に十分な手間がかけられなくて診察がテキトーだったりするのです。
このため、お金持ちのイギリス人はNHSを利用せずにプライベートの病院に行きます。
このプライベートの病院とは、病院側が自由に診療代金を設定しているため、べらぼうに診療代金は高いものの(しかも全額自己負担。)、予約が簡単に取れて、丁寧に診察してもらえるというものです。
イギリスに日本の企業等から派遣されてくる駐在員の方は、ほとんどの場合、企業が負担して海外保険に入るために、自己負担なくプライベートの病院が利用できるようです。
しかし、そうでない方は、
・ 高い海外保険に入って病気になった時にそなえるか
・ 病気になんてならない、または、病気になっても無料のNHSに行けばいいと考えて、海外保険に入らないか
を日本にいる間に選択する必要があります(海外保険はイギリスに来てからは入れません。)。
イギリスで病院に行くのは日本にいる時のように簡単なことではないのです。
イギリスに住んで、本当に日本っていい国だなって思いますよ。
私の場合、イギリスのビザを申請する際に、ヘルスケアサーチャージという謎の制度のおかげで、1人当たり200ポンド(33,000円)支払わされたため、海外保険に入る気がしなくなり、そのままイギリスに来てしまいました。
無保険でプライベートにかかって、一回の診療で500ポンド(87,500円)とられたとの友人の話もあり、海外保険に入るか否かの選択はよく考えて決めた方がいいと思います。
5 想像していた以上に日本が恋しくなる
日本を離れる時に、”一年間は日本のことは忘れて、イギリスに溶け込むんだ!”と決意したはずが、イギリスで2、3日まずいパブ飯を食べていると、すぐにしょう油が、みそが、米がと日本食を食べたくなる気持ちが抑えきれなくなります。
イギリスにも日本食材店はあります。
ロンドンにあるJapan Centerをはじめ、地方都市にもSeoul Prazaという韓国と日本の食材扱う店などがあります。また、イギリスにたくさんいる中国人向けの中国食材店でも日本食材を手に入れることができます。
また、日本食レストランもロンドンには至るところにありますし、少し大きな地方都市であれば、Wagamamaなど複数あると思います。
しかし、日本食材の値段は日本で買った場合の2~3倍もしますし、日本食レストランでは、とても食べれたものではない味の定食が15ポンド(約2500円)とかです。
なかなかのぜいたく品ですので、そうそうしょっちゅう食べるわけにもいきません。
またイギリスに来て日本食をむさぼっているのは、どうしてもむなしさを感じてしまいます。
また、食事以外でも、数カ月たてば日本のテレビが無性に観たくなったり、日本の本が読みたくて仕方がなくなったりします。
テレビはVPNサービスを利用すれば、各局がインターネット上で配信している放送をみることができますし、Huluなんかに入ってしまえばイギリスにいるのを忘れるくらいです。
また、日本の本もKindleがあればいくらでも買えますし、紙の本もAmazon.JPに注文することができるので、多少の送料と税金を気にしなければ問題なく手に入ります。
しかし、「そんなことをしていていいのか」、「何のためにイギリスに来ているんだ」と、そのうち、あなたの心の中のリトルホンダが問いかけてくるでしょう。
イギリスにいると自分が日本文化をこよなく愛していることに気づかされます。
イギリスに滞在している間は、こうした葛藤とずーっと付き合っていくことになると思います。
しかし、金さえあれば逃げ道がいくらでもあるのが困ります。
番外編1 やたら中国人に中国語で話しかけられる
世界各地に中国人はたくさいますが、イギリスも例にもれず、たくさんの中国人がいます。
しかも、彼らはアジア人はだいたい中国人だと思っているので、すごいなれなれしく中国語で話しかけてきます。
そのくせ、こちらが「おれは中国語はわからんよ」と言うと、返事もせずに足早に立ち去るのです。
先日、世界的に有名な観光施設に行ったときの話です。
私が用を済ませて、トイレから出てきたところ、中国人のおばはんが中国語で「トイレ混んでた?(想像)」みたいなことを、少し離れたところから大きな声で言ってきたのです。
まったく意味が分かりません。誰と間違ってんだって感じです。
イギリスに来てから、こんなことがしょっちゅうあります。
これは単に私の外見の問題かもしれませんので、あくまで番外編です。
番外編2 花粉症に注意
日本で花粉症でも、イギリスに来ると花粉症ではなくなるという人がいます。
確かに、日本で飛んでいる花粉とイギリスで飛んでいる花粉は違うでしょうから、日本で花粉症でもイギリスに来たら発症しなくなるという人は多いと思います。
しかし、イギリスで飛んでいる花粉の量は半端ないです。
イギリスは日本と比較して街中でも自然が多いですし、街から外れると本当に自然が豊かです。
そのためなのかは分かりませんが、春から初夏にかけて、晴れて風が強めの日には目で見えるほどの花粉が飛んでいます。
また、花粉ではないかもしれませが、ここ数日、たんぽぽの綿毛が半端ないくらいとんでいます。
家の窓から見ていると、一日中白いものがたくさん風に流されていきます。
こういう状況ですので、私は薬を飲まないと目がかゆくなります(もちろん日本にいる時よりは全然症状が軽いですが、何年もいるとひどくなりそうです。)。
日本で花粉症の方は、イギリスでも花粉症なるかもしれないと思っていた方がいいと思います。
色々書きましたが、イギリスに住むのは良い経験になると思いますよ!
それでは、また日曜に!
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