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今日も日曜日

毎日日曜だったらいいな。今日も日曜の気分で綴ります。

国民投票でEU離脱派が勝利しても、イギリスがEUに残留するというシナリオ

イギリス 海外 社会

EU離脱が現実味を増す

イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票まで2週間を切り、世界的な注目が日に日に高まるなか、最新の世論調査では離脱派が上回る傾向が見られ、イギリスのEU離脱が現実味を帯びてきました。

最新の世論調査

YouGov(6/12・13)        残留:39%(-3)、離脱:46%(+3)

ORB(6/13) 投票に行くことが確実な人 残留:48%( ± 0)、離脱:49%(+2)

            (参考:全ての回答者    残留:49%(-3)、離脱:44%(+4))

ICM(6/11・12)※          残留:47%    、離脱:53%

※ ICMは「まだわからない」を除外して集計。

http://static.independent.co.uk/s3fs-public/thumbnails/image/2015/05/20/21/3v2pg-1-britain-EU-1-getty.jpg

(www.independent.co.ukより引用)

国民投票でEU離脱が過半数を得ても、イギリス議会の承認が必要

それでは、国民投票でEU離脱が残留を上回った場合は、無条件にイギリスはEUを離脱することになるのでしょうか?

答えは、NOです。

仮に国民投票でEU離脱が過半数を得たとしても、その後、イギリス議会でEU離脱に関する法的手続を行う必要があります。

ここでイギリス議会を構成する庶民院及び貴族院(※)で、EU離脱に関して過半数の賛成を得る必要があるのです。

※ 貴族院は世襲貴族によって構成され、庶民院は一般的な選挙の当選者で構成されます。立法権等における庶民院の優越が法律に明記されています。

しかし、国民投票で過半数を得た意見に関して、反対票を投じることは次の選挙で国民から厳しい審判を下される可能性が高いため、実際のところ、イギリス議会は国民投票の結果を追随するしかないでしょう。

考えられるもう一つのシナリオ

それではEU離脱が残留を上回った場合は、やはり無条件にイギリスはEUを離脱することになるのでしょうか?

この答えは、やはりNOです。

BBC(イギリス国営放送)が一つのシナリオを提示しています。

庶民院には自律解散(庶民院が自ら解散することを決めること)が認められています。

国民投票でEU離脱が過半数を得た場合に、庶民院がこの自立解散を行い、保守党や労働党といった主要政党がEU残留を公約として選挙を戦い、そして、勝利した場合、この選挙の結果が国民投票の結果に優先され、EUに残留することを決定するというシナリオです。

確かにこのシナリオであれば、国民投票の結果を否定したとしても、個々の議員は次の選挙でその責任を追及されて落選することを心配する必要がないので、残留派がなんとしてでも残留したいと考えれば、考えられるシナリオとなると考えられます。

しかし、庶民院の自立解散には、庶民院議員の3分の2の賛成が必要となります。

現在の庶民院(定数650人)の構成は、保守党330人、労働党232人、スコットランド独立党54人、その他34人です。

庶民院が自立解散を行うためには434人が賛成する必要があるので、保守党がEU離脱派と残留派で分裂している現状では難しいかもしれません。

ボリス・ジョンソンの真の狙い

しかし、このシナリオが現実にあり得ないものではないと考えさせられる事実があります。

EU離脱派の代表的な存在であるボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、イギリス国民から絶大な人気があるカリスマ的な存在です。

ボリス・ジョンソン前市長がEU離脱派に加わらなければ、ここまで離脱派が支持を集める状況にはならなかったのではないかと思われるほど、その影響力は絶大です。

このボリス・ジョンソン前市長には、ディビッド・キャメロン首相の次の首相を狙うためにEU離脱派に加わったという見方があります。

EU残留派の代表的な存在は、ディビッド・キャメロン首相とジョージ・オズボーン財務大臣です。

EU残留派が国民投票で勝利した場合は、キャメロン首相を閣内から支え、また、信頼も厚いオズボーン財務大臣が後継首相となるのは間違いないでしょう。

もし、ボリス・ジョンソン前市長がEU残留派に加わっていたとしても、オズボーン財務大臣の有利は揺るがないでしょう。

つまり、ボリス・ジョンソン前市長は、EU残留派に加わってもオズボーン財務大臣を逆転できないので、次期首相の座を引き寄せるために、あえてEU離脱派に加わったのではないかと考えられるのです。

ボリス・ジョンソン前市長がEU離脱を本当に支持しているわけではないことが伺われる発言があります。

今年の2月、ボリス・ジョンソン前市長は報道陣に対して、「国民投票の結果がどんな結果になろうとも、EUに留まる選択をすべきだとキャメロン首相には言った」、「(国民投票でEU離脱が過半数を得て、イギリスがEUを離脱する可能性をEUに示すことにより、)イギリス政府は国民にとってより良い取引ができるようになるだろう」と発言しています(http://www.huffingtonpost.co.uk/2016/02/21/boris-johnson-to-campaign-to-leave-eu_n_9285046.htmlを参照しました。)。

もし、ボリス・ジョンソン前市長が次期首相をたぐり寄せるためだけに、EU離脱派に加わり、本心ではEU離脱を望んでいないのであれば、前述のもう一つのシナリオが発動される可能性はゼロではないかもしれません。

 

それでは、また日曜に!

 

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