今日も日曜日

毎日日曜だったらいいな。今日も日曜の気分で綴ります。

国民投票の結果を受けて、イギリス人の友人に伝えようと思うこと

私はもうすぐ日本に帰ります。
日本に帰るための飛行機のチケットも購入しました。
最近は、もっぱら帰国準備で一日が過ぎていきます。
事務的な手続きに加えて、お世話になった人にも何かしらあいさつをしないといけないのですが、これが案外難しかったりします。
理由は単純で、私の英語が未熟なので、自分の気持ちをうまく表現できないのです。
 
お世話になった人の一人に、あるイギリス人青年がいます。
彼とはランゲージエクスチェンジというサービスを通して知り合いました。 
私は英語を学びたくて、彼は日本語を学びたい。
お互いに自分の言語を教える代わりに、相手の言語を教えてもらうという関係です。
彼は、私より年齢は10才程下ですが、オックスブリッジを卒業して、エンジニアをやっているしっかりした青年です。
私達は割と気が合ったようで、紹介されてからずっと1週間に1度のペースで会い、パブでビールを飲みながら、時には英語で、時には日本語で話をしました。
 
先日、イギリスではEU離脱の是非を問う国民投票が行われ、離脱への支持が残留を上回りました。
私の日常は選挙前と大きな変化はないのですが、テレビやインターネットではイギリスが大きな混乱に陥っていると報じられています。
私のランゲージエクスチェンジのパートナーであるその青年も、この問題には強い関心を抱いていました。
彼は、最近よく報じられているカテゴライズの例に漏れず、高学歴の若者として”Remain”を強く主張していました。
「イギリスはEUの中にいるから、現在の豊かなイギリスを維持することができるんだよ」、「EUを離脱したら、イギリスに優秀な人は来なくなるだろうし、逆にイギリスの優秀なやつはイギリスを出て行くよ」などと彼はよく持論を述べていました。
そして、彼は自分自身についても、「EUからイギリスが離脱することになれば、ドイツに移住することも考えている」と言っていました。
そんな彼は、この国民投票の結果をどう受け止めているんだろう。 
少し不安です。
 
明日、彼と会う予定になっています。
私が日本で帰国するまでに、彼と会うのはこれが最後になります。
私は、彼に何を言うべきか、ここ数日の間、帰国準備をしながら、ぼんやりとですが、ずっと考えていました。
 
色々考えましたが、正直に思ったことを伝えるのがいいだろうと思い至りました。
正直なところ、私はこう思っています。
  
イギリス人は何をびびっているんだろうか。
日の沈まぬ国、大英帝国を作り上げたイギリス人の自信やプライドはなくなってしまったのだろうか?
大英帝国を作り上げた時は、ヨーロッパ大陸諸国に何か協力してもらったの?
いやいや、むしろ、今では考えられないくらいの敵対関係だったはずだよね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/28/British_Empire_1897.jpg

(wikipediaより引用。大英帝国です。)
 
国民投票でEU離脱が残留を上回ったなら、いつもみたいに人を食ったような顔で粛々と離脱の手続を進めればいいよ。
イギリスが離脱して困るのはEUでしょ?フランス、ドイツでしょ?ちがう?
彼らはもうおたおたして、「手続を早く始めろ」とか言い出してるじゃない。 
 
そもそもイギリスがEUに加盟しているメリットってどのくらいあったの?
デメリットの方が圧倒的に大きかったんじゃないかな?
移民問題に、財政危機に、それにまた難民問題。
本来であれば負担する必要のない金をむしり取られてただけじゃないの?
むしろ、これからはEUに政策を押し付けられることもなく、イギリスの国益を最優先にした政策を自由に実行できるからよかったじゃない。
入国管理だってこれまで以上に厳しくできるのだから、テロ対策にもプラスになるよ。
 
EUに加盟していたメリットって、EU加盟国との自由貿易だけなんだから、貿易協定の交渉だけ必死にやればいいと思うよ。
そもそも、EUとの貿易はイギリスの大幅な買い越しだよ。
イギリスと貿易できなくなるとEU側だって困るんだから、そんな難しい交渉にはならないでしょ。
イギリスに続く国が出ると困るから、いろいろと空脅しはあるかもしれないけど。
あと、イギリスから企業が撤退する、投資が引き上げられるっていう人もいるけど、そんなの税制とかでメリットを作り出せば乗り切れると思うよ。
だって、イギリスに出資しているメリットって、EU加盟国だからってことだけじゃないでしょ。
イギリスの強みって、いろいろあると思うよ。
優秀な労働力とか、高い技術力とか、共通語としての英語とか…。
 
優秀な人材だって、これからも集まってくるよ。
オックスブリッジのブランド力、なめないでよ。
ノーベル賞だって、アメリカはずば抜けているけど、それでもイギリスは2位だよ。
しかも、英語が通じる国なんだから、人は嫌でも集まってくるよ。
むしろ、これからはイギリスにメリットがあるやつだけをしっかり選んでやればいいよ。
 
でもスコットランドの独立だけは避けたいね。
北アイルランドとロンドンに関しては、適当にあしらってればいいと思うけど。
 
 確かに、ここ数年はイギリス経済の落ち込みは避けられないだろうけど、やるべき政策をしっかり打ち出していけば、何年かで必ず今以上の経済状況を実現できるはず。
そもそもEUに残ってたって問題はたくさんあったんだし、これからはEUに足引っ張られずに自分たちのことだけ考えていればいいんだから、そっちの方がいい結果になるに決まってるじゃない。
 
イギリス人は今こそ一つにまとまって頑張るときだと思うよ。
”Great Britain on her own, great again!”って感じかな。
 
明日は、こんなことを話そうと思っています。
どこまでうまく英語で表現できるか、あんまり自信ないですが。
間違って伝わって怒られなきゃいいけど。
 
それでは、また日曜に!
 

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