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EU瓦解論は杞憂?

EU瓦解論は杞憂?

6月23日に行われた国民投票でイギリスがEUを離脱する見通しとなって以降、EUの他の加盟国からも離脱を選択する国が出てくるのではないかという報道をよく見かけるようになりました。

実際のところ、どんな雰囲気なんでしょうか?

少し古いですが、YouGov(https://yougov.co.uk/news/2016/06/02/europe-if-britain-leaves-others-will-follow/)で今年の5月に行われた、こんな調査がありました。

ドイツ、フランス、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの各国国民に対して、“もし、あなたの国でEU離脱の是非を問う国民投票があったら、残留と離脱どちらに投票しますか?”、と尋ねたというものです。

※ ノルウェーはEUに加盟していないので、「EU加盟の是非を問う国民投票があったら、加盟と非加盟どちらに投票するか」となります。

その調査の結果は、こんな感じになりました。

 ドイツ    残留:54% 離脱:29% 

 フランス   残留:42% 離脱:31% 

 デンマーク  残留:54% 離脱:29% 

 スウェーデン 残留:45% 離脱:38% 

 フィンランド 残留:45% 離脱:30% 

 ノルウェー  加盟:17% 非加盟:64%  

ノルウェーはもともとEUに加盟しておらず、多くの課題を抱えるEUの状況を踏まえて、今更加盟したいと考える人が少ないのは当然でしょう。

一方、注目したいのは、ドイツ、フランス、デンマーク、スウェーデン、フィンランドといった、EU予算への拠出が、EUからの補助を上回っている国で、EU残留への支持が高いことです。

これだけ見ると、最近報じられている“EU瓦解論”や“欧州解体論”は杞憂なのかもしれないと考えさせられます。

一方、他の加盟国からは離脱する国が出ると答える人が多数

また、上記各国にイギリスを加えて、“イギリスがEUを離脱した場合に、それに続きEUを離脱する国が出ると思いますか?”、と尋ねたところ、結果は以下のようなものでした。

 スウェーデン 出る:69% 出ない:15%

 デンマーク  出る:66% 出ない:18%

 ノルウェー  出る:57% 出ない:18%

 フランス   出る:55% 出ない:28%

 ドイツ    出る:54% 出ない:30%

 イギリス   出る:51% 出ない:27%

 フィンランド 出る:47% 出ない:36%

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これら2つの調査結果が意味するところは、「自分の国はEUを離脱するべきではないと思うけど、イギリスが離脱したら、他の国で離脱するところはあると思うよ」といった感じでしょうか。

各国国民がこう答えた背景を考えてみると、各国国民が“EUにはいろいろな問題があり、加盟に伴う負担が大きいため、他の加盟国で離脱を選択する国が現れることはありえる”と考えているということではないかと思います。

つまり、これらの調査の結果は、各国においてEUへの不満が高まっていることを表していると言えるのではないでしょうか。

自国の離脱を否定しているのは、EUを離脱した場合のデメリットを正確に予想するのは困難であり、また、EU離脱は大きな変化を伴うものであるため、自国について問われた場合は慎重な回答となったのではないかと思います。

人は自分のことには、ついつい慎重になってしまいます。おそらく、ここでもそうした感情が働いていたのでしょう。

その一方で、他国について聞かれれば、そういった慎重さは薄れて、EUへの不満が率直に表れたのではないかと思います。

 

こうした調査結果から考えれば、イギリスのEU離脱が引き金となって、EUが瓦解に向かう可能性も少なくないのではないかと考えられます。

国民投票後のEUの対応を見る限り、そうした不安をEU自身も持っているからこそ、イギリスに対してああいった対応になるのでしょう。

 

それでは、また日曜に!

 

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