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イギリスのEU残留の是非を問う国民投票は、投票日を目前に控えてもなお先の読めない状況

イギリスのEU残留の是非を問う国民投票について、ここまでこのネタで押し続けて、今日全然違うネタを書くのも違うなと思うので、今日も書きます。

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(www.telegraph.co.ukより引用。さすがtelegraph!いい写真持ってる。)

最新の世論調査結果

 6月21日の新聞2紙に最新の世論調査結果が掲載されるようですので、ご紹介します。(イギリスでは、まだ21日になったばかりです。)

 

(最新の世論調査の結果)

YouGov(6/17~19)           残留:42%(-2)、離脱:44%(+1)                  

ORB(6/15~19) 投票に行くことが確実な人 残留:53%(+5)、離脱:46%(-3)

               (参考:全ての回答者    残留:49%(± 0)、離脱:47%(+3))

※ ちなみにNatCenという組織も世論調査結果を発表していますが、これは5/16~6/12の期間に調査したものなので、今、この時期に参考にするのは難しいと思います。一応結果は、残留:53%、離脱:47%でした。

 

ORBの”投票に行くことが確実な人”の結果は、EU残留への支持が上昇、また、離脱への支持が減少しており、これは以下の二つの要因から説明しやすいでしょう。

1 一般に人々は劇的な変化(EU離脱)への期待に興奮して、一時的に変化への支持を高めるものの、いざ、変化が現実味を帯びてくると、その変化によりもたらされる影響に不安になり、現状維持(EU残留)を支持するようになる傾向がある。

※ YouGovによれば、こうした揺り戻しは昨年1月に行われたスコットランド独立の是非を問う国民投票においても見られたとのこと

2 6月16日に発生した、EU残留を主張していた労働党のジョー・コックス議員が、EU離脱を主張する男性に殺害された事件がEU残留の支持を高める方向で影響している。

しかし、私はこうした単純な分析では不十分ではないかと考えています。

何より、既に記した2つの理由からでは、YouGovの結果とORBの”全ての回答者”の結果については説明することができません。

私はYouGovの結果を分析することが、今回の結果が何を意味しているのかを考えるヒントになるのではないかと思います。

YouGovの調査結果の分析

YouGovの前回の調査結果では、残留が、離脱に大きく支持を上回られていたところから、一気に支持を回復しました。

その理由は、前回調査が行われた時期から、女性議員殺害事件の影響ではなく、上記の1の理由によるもの(不安からの揺り戻し)と考えられます※。

※ 詳細は前回の記事「EU残留への支持が高まる、しかし残留派女性議員殺害事件による影響ではない? 」をお読みください。

そのため、今回の調査では、ジョー・コックス議員殺害事件の影響がどのように出てくるかが注目されましたが、結果は、残留への支持が減り、離脱への支持が増えました。

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以前にも記載したとおり、ジョー・コックス議員殺害事件はEU離脱派にプラスに影響することは考えられず、EU残留への支持が高まる方向に影響すると考えられ、専門家の見解も概ねそのとおりです。

それでは、この結果をどう考えるか。

私は、YouGovの今回の調査結果には、ジョー・コックス議員殺害事件の影響により、残留にプラス、離脱にマイナスの影響が働いていると考えます。

つまり、そうした影響を踏まえてなお、離脱の支持がプラスに、残留の支持がマイナスに振れたということは、上記2つの理由を踏まえても、なおEUの離脱派の勢いが収まっていないということを示すのではないかと考えるのです。

もちろん、ORBの”投票に行くことが確実な人”の結果で、EU残留への支持の上昇が強く出ていることから※、その勢いが大きなものではない可能性も十分に考えられます。

そもそも、YouGovの数値の動きは小さいので誤差の範囲と考えることもできるかもしれません。

しかし、私は未だEUの離脱派の勢いが収まっていないように感じるのです。

投票まであと3日、まったく先が読めません。

 

それでは、また日曜に!

 

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